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火災から物件を守る
〜賃貸住宅経営の立場から考える

地球にやさしいエネルギー〜賃貸住宅経営の立場から考える
いまさら聞けない!?金利の話

集合住宅の「耐震」と「構造」



火災から物件を守る
〜賃貸住宅経営の立場から考える


 マンション・アパートなどの賃貸住宅では、火災予防対策の基本設計は、ほとんど管理者側の考え方に委ねられると言っても過言ではありません。
また、防災に対する入居者の理解と協力を得ることも、管理者の責務といえるでしょう。
入居者の安全を守り、大切な物件の資産価値をさらに高めるために、あらためて防火管理を見直してみましょう。   

◆火災原因トップは放火。放火されにくい配慮を

 平成18年度版の消防白書によると、平成17年中の放火による火災件数は7,225件、9年連続して出火原因の第1位で、年々増加傾向にあります。放火の疑いによる火災5,039件を合わせれば1万2,264件、全火災の21.3%も発生しており、損害額でいえば165億200万円にものぼる損失となっています。 
特に都市部においては、出火原因の4割を超えている地域や連続放火が発生している地域があり、深刻な社会問題です。
消防庁では、平成16年に放火火災対策防止検討会を設置し、「放火されない環境づくり」をめざして、『放火火災防止対策戦略プラン』を発表しました。プランでは、地域全体が継続的に以下の対策に取組んでいくことを推奨しています。

●PLAN(計画)――――放火火災件数の具体的な削減目標を設定
●DO(実施・運用)――個人や自治会等が評価項目に沿って地域の現状を分析する
●CHECK(点検・是正)―評価の低い項目を中心に放火火災防止対策を実施
●ACT(見直し)――――目標期間終了後に対策実施の効果を評価する

 このように、放火対策は個別の住宅だけでなく、トータルで地域環境を見直すことが求められてきます。



◆55〜59歳男性の火災死亡事故が増えている

 住宅火災による死者は、平成17年には1,223人で前年比17.8%と急増し、データの存在する昭和54年以降、最悪の記録を残しました。そのうち、65歳以上の高齢者は693人で、全体の半数を超える56.7%を占め、あいかわらず他の年齢層より2倍以上高い状態が続いています。
また、最近の特徴としては、50歳以上の熟年層の死者数がめだって増加していることがあげられます。中でも、男性55歳〜59歳階級の死亡率の上昇傾向が著しく、団塊世代の人口の多さと相まって、死者数もこの10年間で年間約40人から約80人と倍増しています。
 この男性55〜59歳階級の住宅火災死者数の変化では、以下の特徴が注目されています。

1.無職の割合が多い(約6割)
2.一人暮らしが多い(約5割)
3.出火原因はたばこが多い。特に平成17年は、前年に比べ倍増している。
4.平成10年より急増している自殺者の統計的傾向と共通する点が見られる。

 社会的な状況をみれば、今後、一人暮らしの入居者が増えることは容易に予測できます。火災予防条例の改正により、住宅用火災警報器の設置が義務付けられましたが、設備の充実とともに、入居者に対する防火対策の普及啓発も急務となってきました。 



◆火災から物件を守る
火災警報器の設置が義務づけられました。


 平成16年6月に消防法が改正され、全住宅への「火災警報器」の設置が義務化されました。住宅火災による死亡原因の約6割は「逃げ遅れ」。大切な命を火災から守るためです。新築住宅については、すでに昨年6月1日から実施され、既設についても平成20年6月1日から23年6月1日までの間に設置を終える必要があります(詳しくは各市町村が条例で設定)。そこで、設置を検討する際のポイントをQ&A式でまとめてみました。


Q.火災警報器って、どんなもの?

A. 火災を煙や熱で見つけて、音や音声で知らせてくれるのが火災警報器(正式には「住宅用火災警報器」)。火災のほか、ガス漏れも感知して知らせる複合タイプもあります。
 一般の住宅の場合、火災をより早く感知する煙タイプが有効です。ただ、火災以外の煙に反応することもあるので、台所は熱式でもかまいません。耳の不自由な方向けに、光や震動で伝えるタイプもあります。
 電源には、コンセントから取るACタイプと電池タイプがあるので、お部屋の状況に応じて選べます。

Q.なぜ、義務化されたの?

A. 住宅火災による死者が増えており、死者のほぼ6割は「逃げ遅れ」によるものだからです。
 総務省消防庁がまとめている「火災の概況」によれば、平成17年中に発生した住宅火災は1万8,751件。1,432人が亡くなっています。これは建物火災による死者の89%を占め、また死者(放火自殺等を除く)の63%が「逃げ遅れ」によるものでした。なかでも、高齢者の「逃げ遅れ」が多く、17年の場合は57%を占めました。
 こうした死亡例を「火災警報器があったかどうか」で分類すると、たとえば14年中の住宅火災総数を100とした場合、「なし」が6,1であるのに対し「あり」は1,8。3,4倍も「あり」の方が少ないという結果が出ました。先行して設置を義務化した米国では、死者数が半減しました。こうしたことから、全住宅への設置が義務づけられたのです。

Q.いつまでに付けるの?

A. 設置が義務化された住宅は、一般の戸建住宅から店舗併用住宅、共同住宅、寄宿舎などまでの「全ての住宅」です。
 新築住宅は昨年6月から義務化されています。消防法の改正に合わせ、建築基準法も改正され、建築申請や完了検査申請の際には、火災警報器の設置図面を追加するようにもなっています。
 既設住宅の設置(適用)期限は、平成20年6月1日から23年6月1日まで。具体的な適用年月は、各市町村が条例で定めています。2年から5年間の「猶予期間」が設けられているわけですが、期限を待つことなく早めに設置した方が安心です。

Q.どこに付けるの?
A. 火災警報器を設置する場所も、市町村で異なります。
 例えば、最も幅広く義務化している東京消防庁では「すべての部屋、台所、階段」*に設置するよう求めています。
 煙タイプの火災警報器を設置する場合の設置場所(一例)と設置位置は右図の通りです。詳しくは、市町村の窓口や消防署に問い合わせるようにしましょう。設置に資格は必要ありません。製品の説明書をよく読んで付けましょう。

Q.どこで購入するの?

A. 防災設備取扱店やホームセンターなどで購入できますが、当社でも取り扱っておりますのでご相談ください。
 今回の設置義務化にともなって、悪質な業者が消防署員などを装って不適正に勧誘・販売するトラブルが各地で発生しています。火災警報器は購入後の無条件解約(クーリング・オフ)が可能です。購入時には書類をきちんともらっておきましょう。また、製品については「日本消防検定協会の鑑定マーク」が付いているか、こちらもきちんと確認しましょう。

Q.日常の手入れや交換期限は?

A. 汚れなどは、家庭用の中性洗剤を布に含ませ、軽く拭き取ります。ベンジンやシンナーなどの有機溶剤を使用してはいけません。水洗いも禁止です。
 作動確認は、初めて設置したとき、電池を交換したとき、掃除したり場所を変えたりしたときに行います。火災警報器本体から下がっているヒモを引くか、ボタンを押します。
 それぞれの火災警報器には「交換期限」がありますので、本体に表示された期限までに交換するようにします。タイプによっては、自動的に警報を発するものやランプが点滅するものもあります。


◆入居者に周知しよう
火災対策のポイント


 たばこの不始末、コンロの不始末、子どもの火遊び、あるいは放火と火事の原因はさまざま。いつ、どこで起こるかわからないだけに、日頃から対応を想定しておくことが肝心です。火災の対策ポイントについて考えてみましょう。

◆火災のときはまず119番通報!
 火災を発見したとき、周囲に2人以上いる場合は、役割分担が大切。119番通報、初期消火作業、館内にいる人への火災発生通報、安全な場所への避難誘導をそれぞれが行いましょう。しかし、1人のとき、火災を発見した場合、あなたはどう対処しますか?結論から言うと、とにかく先に119番通報しましょう!“ぼや”の場合、簡単に消化できそうですが、意外と難しいのです。気が動転し、消火器などが使えないことが多いのです。その間に、フラッシュオーバーとなっては大変。まず、119番通報を!

◆正しく119番通報できますか?
 火災を発見した場合、ほとんどの人が冷静に対処できないようです。119番にダイヤルしても「火事だ!火事だ!」としか言えない人。しかし、これは良いほうです。110番する人もましなほうです。119番も110番も思い出せず、電話帳で消防署の電話番号を探す人もいるほどなんです。自分のビル・自宅への目標となる道路名、目印となる建物等のルートを電話機の側に示して置きましょう。現在ではともかく119番通報すれば、発信電話機の所在地や場所が自動的に判明するシステムになっています。ただし、携帯電話からの通報ではこのシステムは使えません。

◆初期消火は“ぼや”のときが勝負
 火災が発生したときの状態を初期火災、俗にぼやといいます。初期火災の炎や加熱された空気が、天井方向に堆積し、室内全体に火災が拡がり、ある瞬間に爆発的に火災が拡大する現象をフラッシュオーバーといい、消防機関のプロでないと消火できません。つまり、素人が消火器などで消火作業ができるのは、ぼやの間だけなんです。ぼやからフラッシュオーバーが発生するまでの時間は、内装材が可燃材料の場合で3〜4分、難燃材料の場合で5〜6分とされています。

◆消火訓練を重ねておこう
ビルでは身近な位置に消火器や屋内消火栓設備の消火栓が配備されています。しかし、それらが使いこなせなければ“宝の持ち腐れ”。いざ、火事の場合、初期消火に適切に対応するには、日常の消火訓練の積み重ねが極めて大切なんです。少なくとも6カ月ごとに自衛消防の訓練を実施しましょう。ワンタッチで操作ができる小型消火器をあなたは使えますか?消火器の噴出時間(使用時間)は20秒程度と短いことも覚えておきましょう。消防署が誘導する地域消防訓練には積極的に参加を!

◆煙死を防ぐには「火の用心」!
 近年では火災が発生するごとに必ずと言ってもいいほど、死亡者が出るという惨事に至っています。なぜでしょうか?近年の建築材料、とくに内装・仕上げ材や建具・什器類の材料には程度の差はあっても、有害科学成分が含まれているからです。つまり火災時に、これら有害化学成分がシアンガスや塩化水素などの猛毒ガスと化し、かつ、不完全燃焼による一酸化炭素という有害ガスを吸い込むために、ぼやの時点で意識不明(煙死)に至ることが多いわけです。火災に遭遇したら、口・鼻をハンカチで押さえ低い姿勢で避難しましょう。煙は空気より軽い!


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地球にやさしいエネルギー
〜賃貸住宅経営の立場から考える


 エネルギーの枯渇、地球温暖化……。環境問題への関心が高まり、何らかのかたちで自分も環境保全に貢献したいと思う人が増えてきました。
 環境問題を意識した暮らしをする上で、最も身近なのが、家庭生活でのエネルギーの節約です。ムダなエネルギーをカットすることにより、地球温暖化の原因とされるCO2(二酸化炭素)の排出量を減らすことができます。さらに出費も減って家計も助かるというわけです。つまり「環境にやさしい暮らし」は「家計にやさしい暮らし」。こうした意識の浸透は、今後の賃貸住宅経営にも少なからぬ影響を与えます。
地球環境にやさしい住まいを考える上での基礎情報をまとめてみました。



お湯からはじまる
地球にやさしい住まい


 浪費することを「湯水のごとく」などと言います。なぜ“お湯”が使われるのかはわかりませんが、それはともかく、エネルギーの浪費はもってのほか。地球にやさしい住まいと暮らしは、まず、お湯を無駄なく利用できる住まいの設備だと言えます。
 また、わが国で排出されている年間のCO2のうち、30%にあたる3億6,000万トンは、家庭・業務用の民生部門によるものです。特に、民生部門の排出量は1990年に比べて3割も上回る高い伸びとなっており、この部門でのCO2排出量を減らすことは、地球の温暖化防止に大きく貢献することになります。
 そして、一般の家庭で消費するエネルギーのうち、最大のものは照明や家電製品によるもので、全体の38.7%を占めています。次いで大きいのが給湯用の34.3%、暖房用の25.3%です。
 このため、給湯用のエネルギー消費を削減できれば家庭全体にとって、さらには地球にとって大きなCO2排出量の低減につながるというわけです。

◆地球温暖化
 地球環境問題の中でも最も注目されているのが地球温暖化です。温暖化は以下のプロセスで生じます。

【1】石油、石炭などの化石燃料を燃やすと、二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物、硫黄酸化物などが発生します。
【2】それらの物質が≪温室効果ガス≫となり、地球上の熱が逃げられなくなります。
【3】地球の温度は太陽からの日射エネルギーと地球から宇宙に向けて出す熱放射エネルギーによって決まるので、熱が逃げないと、そのバランスが崩れてしまいます。
【4】その結果、地球上の温度は上がり、温暖化が進みます。

そして、地球温暖化の影響として…

●氷山や凍土が溶け、広大な面積の土地が水に沈む可能性があります。
●降雨量が変化し、雨が増える地域や、降らなくなる地域がでてきて、全世界で、洪水や干ばつの被害が増える恐れがあります。
●急激な気候変化に植物が対応できず、世界に市場の混乱や飢餓をもたらす可能性があります。
●温暖化に伴い、熱帯地方に多い伝染病が、温帯地方に広がる危険があります。
…などが懸念されています。
 温暖化を防ぐためには、温室効果ガスを極力減らす必要があります。



入居者にも伝えたい
「お湯エコロジー」


 全国のご家庭で、シャワーの使用時間を1分間短縮したら……。なんとそれだけで東京ドーム200杯分のお風呂を沸かすのに必要なエネルギーが節約できます。お湯のエコロジーは地球だけではなく、家計にもやさしいのです。お風呂の残り湯約180リットルの半分、約90リットルを再利用したとすると、1カ月で約650円の節約になります*。1年に換算すると約4,200円も節約に! *東京都の水道料金で概算
 この「お湯エコロジー・ライフ」は、家計の節約にもつながります。「入居者のお湯の使い方まで口を出すなんて」と思う大家さんも多いでしょうが、入居者とともに環境問題や地域のことなど共通のテーマを掲げてみるのも、これまでとは違ったアパート・マンション経営かも。別記の「生活シーン別・知ってトクする『お湯の節約』豆知識」などを共用掲示板に掲載するなどして、入居者と環境意識を共有してはいかがでしょうか。
 地球環境問題に対応した住まいや暮らしは今後のトレンド。賃貸住宅経営においても、この分野にアンテナを立てておきましょう。

◆みんなでCO2排出を減らそう

エネルギー供給でのCO2総排出量

 日本のエネルギー利用は1973年には77%も石油に依存していましたが、石油ショックを機に、石油依存のエネルギー政策を見直し、経産省は2030年には石油が占める比率が38.4%へと大幅に下がると想定しています。それでもまだ石油に依存する現状に変りはありません。
 それではわが国のエネルギー利用効率は?
 GDP(国内総生産)は国の生産力、経済力の指標になるデータですが、GDP当たりのエネルギー消費を比べると、どれだけエネルギーを効率よく使っているかがわかります。
 2001年の各国のエネルギー消費量をそれぞれの実質GDPで割った数値を比較してみましょう。日本を1とすると、アメリカ2.74、イギリス1.91、フランス1.59、ドイツ1.41となっています。いずれの先進国も、同じGDPを生産するのに、日本より多くのエネルギーを必要としており、主要先進国のうちで日本が最も効率的にエネルギーを使っていることがうかがえます。

日本のエネルギー事情は?

 日本のエネルギーにおけるCO2排出量は約3億1,600万トン(2002年)で、これはアメリカ、中国、ロシアなどの広大な面積を有する国に次ぐ第四位の数字となっています。
 しかし、環境問題のシンボルと期待される、太陽光や風力などの新エネルギーの普及には、まだかなりの時間を要すると考えられています。このような状況下でLPガスは、化石燃料の中ではCO2の排出量が低く、環境に悪影響を与えるSO・NO・SPMがほとんど発生しません。そのためLPガスは環境保全対策上有効なクリーンエネルギーと評価され、2003年10月に閣議決定された「エネルギー基本計画」で、クリーンで重要なエネルギーと明確に位置づけられました。それでも、地球環境に深刻な影響を与えるCO2排出問題には、一人ひとりがさらに真剣に考える必要があるのです。


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