Cheer's第20号
企業の品質を上げ信頼を高める“安全・安心”今年も3地区で相次いで「防災訓練」を実施
訓練の様子
冨士鉱油グループは今年も、5月から7月にかけ、神奈川エリア・杉並産業で「防災訓練」を実施しました。防災訓練の実施は「非常事態へのスキルアップであるとともに、安全・安心への社会的責務に応えること」(園木社長)であり、それは広く「“企業品質”の向上にもつながるもの」(同)です。日頃の鍛錬が光る神奈川エリアと杉並産業の訓練内容を紹介するとともに、「防災と危機管理」について考えてみました。

神奈川エリア

霧状・棒状放水生かし消火・漏えい防止

神奈川エリアでは5月17日、横浜支店の構内で行いました。今回の想定は「震度6強の地震が発生し、充填所タンクヤード内のガス配管フランジ部からガス漏れが発生。同時に、タンク配管から火災も起きた」。
神奈川エリア
総員約30人が班ごとに分かれてキビキビした訓練を披露し、緊急事態へのスキルアップ、ノウハウの共有と、保安意識のさらなる向上を図りました。
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園木社長
「防災訓練の意義は、非常事態へのスキルアップに加え、社会的な使命に応えて安全の確保、保安意識の高揚を図ることにある。神奈川エリアは特に、率先した取り組みを続けている。新しいエリアマネージャーのもと、こうした伝統の継承とノウハウの高度化・共有化を一層進めていただきたい」(5月17日、神奈川エリア)

保安と営業は両輪、保安向上は会社の品質アップにつながる
「保安の確保は社会的責務であるとともに、会社にとって保安と営業は車の両輪。目的にしているわけではないが、保安・安全のレベルアップは会社の品質をあげ、ひいては営業面にも貢献する。当社の取り組みは、ガス仕入れ先や地元からも高い評価を得ている。しかし、それで事故が起こらないという保証はない。常に緊張感を持って業務に精励願いたい」(6月8日、杉並産業)
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訓練の様子

訓練は「地震発生、各班緊急措置行動をとれ!」との構内放送とともに午前8時45分に開始。緊急遮断弁の閉止、避難路の確保・火の元確認、防災本部の設置(本部長=保安統括者<井原敏晴横浜支店長(神奈川エリアマネージャー)>)に始まり、ガス漏れ・火災通報、容器の転倒防止措置、所外通報(通報先=消防署、警察署、県工業保安課、冨士鉱油本社、昭和シェル石油)、消火、けが人救護、交通遮断と構内車両移動、宿泊者の避難、鎮火監視などの訓練を実施。開始後15分足らずで「火災鎮火、ガス漏えい停止」を確認し、9時前に全員集合して終了しました。

今回の特徴は、配管からのガス漏れと火災の同時発生を踏まえ、2方向からの放水、しかも霧状放水と棒状放水を組み合わせて効果的な消火・漏えいガス拡散・冷却を行ったこと。
訓練後、横浜市都筑消防署の石田肇予防課長<消防司令>からは「キビキビした見事な連携プレーだった。管内では今年に入って火災が増えており、職場でも家庭でも火の用心に努めていただきたい」との講評、神奈川県警都筑警察署の赤根政弘警部補からは「訓練を見て、鍛えられているなと感じた。日ごろ訓練していることで、非常時には身体から動き、被害を最小限に抑えることができる」との講評をいただきました。
訓練に続き、横浜市都筑消防署の協力で起震車による阪神大震災の体験と、心臓マッサージ・AED(自動体外式除細動器)による救急講習も行われ、緊急事態への対応措置をあらためて学びました。

杉並産業

初めてAED救命講習も実施

阪神淡路大震災の体験と、心臓マッサージ・AED(自動体外式除細動器)による救命講習も行われ、緊急事態への対応措置をあらためて学びました。
杉並産業は6月8日、構内で実施しました。3年目、通算4回目となる今回は、全員参加で地震発生によるガス漏れ・火災発生への模擬訓練を行うとともに、地元・西新井消防署上沼田出張所の協力により初期消火・通報訓練、さらに初めてAED(自動体外式除細動器)を使用した救命講習も行いました。
訓練の想定は「地震発生により、LPG貯槽(15t)のドレンバルブ先端のフランジ仕切板から少量のガス漏れが発生。この漏れたガスに静電気により着火し、火災も発生した」。訓練は午前10時の“地震発生”とともにスタートし、“揺れが収まる”のを見計らって、前田邦威所長(防災本部長)の指揮のもと、消火、修理、警戒、連絡誘導の4班・14名に分かれ、散水、放水、修理、ガス漏れ点検、警戒、通報・誘導などの対策活動を展開しました。終了は10時9分。
署員からアドバイスを受けながら息を吹き込む。体得してこそ災害時に生きる(杉並産業)
訓練後、上沼田出張所の河野秋男所長からは「きちんと組織化された立派な訓練であった。事業所での事故は、設備の性能や取り扱い方法をよく知らないことで起きるケースが多い。全員が熟知しておくことが大切である」との訓示がありました。
また、冨士鉱油営業グループの柴川清二郎グループマネージャーは「訓練内容が年とともに向上している。しかし、本日のように全員が揃っているときは少ないのだから、揃っていない場合でもきちんと対処できるようにしたい」とアピールしました。
今回行った救命講習ではそれぞれが初めてAED操作を体験。また、通報・連絡訓練は上沼田出張所の署員を相手に行い、現場、事故態様を正確・迅速に伝えるためのポイントについてアドバイスを受けました。

防災と危機管理

LPガス=重要なライフライン&危険物
 社に徹底してこそ企業への信頼が向上
LPガスは生活や産業に欠かせない重要なライフラインです。と同時に、一方では取り扱いを誤ると人の生命・財産を損ないかねない危険物でもあります。このため、LPガスの供給に携わるすべての者は、常にこの両面を見据えて活動することが重要です。そうした姿勢や企業理念が全社に徹底してこそ、その企業への信頼が高まり企業価値が向上します。
では、LPガス販売の“現場”にあって、防災を考え、危機管理を整えるには、どのような視点と措置が求められるのでしょうか。
ポイントは次の3点に絞ることができます。
法令やマニュアルを守っていれば良いだけではなく、その背景にある意義や意味をよく理解し、しかも何時どのような時でも対応できるように、仕組みとして確立しておく必要があります。
仮にお客様ミスであったとしても、事故発生への対処や近隣の他のお客様への対応などについても、どうすべきか想定しておくことが危機管理となります。
「災害時の危機管理」は、大地震や水害などといった大災害発生時への仕組みづくりです。
緊急出動や事故処理・緊急点検などといった保安管理に加え、社内の連絡・出勤体制を含めて検討しておくことが危機管理となります。また、大災害の発生時には、自社の社屋や施設も被災することを念頭に入れ、普段からの備え(体制の確立、設備の向上)と、大災害発生時の両面体制を確立しておきます。
1.保安面での危機管理
2.災害時の危機管理
3.営業上での危機管理
「保安面での危機管理」は、日常体制のあり方です。


 ず、会社の「危機管理マニュアル」を作成しよう
危機管理体制を確立するには、第1ステップとして危機が発生したときの対応を整理した全社の「危機管理マニュアル」を作成します。第2ステップとしては、それに基づく本格的なマニュアルにまとめます。危機管理マニュアルでは、以下のポイントを取り決めておき、社内に周知しておきます。
1.緊急事態発生時の社内連絡体制<情報伝達方法>
2.情報のとりまとめ場所と担当者<その場所・担当者が事故にあった場合も想定し、第三候補者まで>
3.意思決定の最終判断者<決定者が事故にあった場合も想定し、第三候補者まで>
4.関係機関の連絡先リスト<行政、司法、業界など。できれば担当者名まで>
5.専門家の連絡先リスト<法務、税務、労務、医療等>
6.災害時想定される緊急事態での対応フォロー<処理の流れ>

(注)冨士鉱油グループでは、2003年に「危機管理マニュアル」を策定しています。ご覧になりたい場合は弊社にお申し出下さい。



 害時は「自社も被災」を前提に活動体制を整えよう
これらの中で、留意すべき点をいくつか挙げてみましょう。
緊急時対応など、ガス事故対応マニュアルの多くは現場での対応や社内体制、行政への対応などが主となっていますが、危機管理マニュアルは、会社としての危機を回避することに目的があります。このため、これに加えて危機発生時の近隣やお客様、取引先への連絡や報告についても想定しておく必要があります。
したがって、ガス事故対応マニュアルにある事故の処理から警察・消防への報告までのほか、危機管理マニュアルでは、事故の処理、行政・司法への対応、お客様、取引先への連絡や報告までと対象が広くなります。
一方、災害発生時の緊急出動や対応は、多くの事業者が対応策や取り決めをまとめています。しかし、見落とされがちなのは、先述したように大災害では自社や従業員も被災している可能性があるということです。このため、自社や従業員が被災した場合、連絡体制が機能しない(電話の不通や混雑)場合などの対策を立てておくことが危機管理となります。
こうした体制がきちんと確立・維持されているかは、社内で防災訓練や模擬立入検査を行って検証します。「抜き打ち」で行うと、意外な不備や盲点が明らかになります。

1日3食をとり、1週間で20km歩け「運動と食事」の同時実践で跳ね返そう

冨士鉱油グループの嘱託区をお願いしている廣田彰男先生(広田内科クリニック院長)に、5月25日開催の「本部安全衛生委員会」で、いま話題となっている「メタボリック・シンドローム」について講演していただきました。会社の“健康”を支える源は、会社の経営者、社員の健康です。講演のポイントを紹介しますので、健康体を目指し、一人ひとりが日常生活を見直して励行しましょう。


内臓脂肪の蓄積が始まり危険兆候はリンゴ型肥満
「メタボリック・シンドローム」は、決して新しい病気ではありません。しかし、最近になって「複合リスク」「40代が危ない」とか、「生活習慣病」として紹介されて、改めて注目を集めています。メタボリック・シンドロームはつまり、これまでシンドロームX、死の四重奏、ほかインスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群とも呼んでいた生活習慣病なのです。
この病気の一番のポイントは内臓脂肪にあります。肥満には、上半身が太るリンゴ型と、下半身が太る洋なし型とがあります。CTを見ると、女性に多い洋ナシ型は皮下に黒く見える脂肪が見られますが、内臓には少ない。一方、男性に多いリンゴ型は皮下の脂肪はそんなにないが、内臓に脂肪がたくさん溜まっています。このため、リンゴ型が生活習慣病になりやすく、メタボリック・シンドロームに進みやすいと言えます。
まずウェスト値が大きいかほか血液・血圧・血統で診断
メタボリック・シンドロームの診断は、基本となるウェスト値が該当するかが前提条件となります。そのうえで、血液、血圧、血糖値の3検査値のうち、2つ以上該当すればメタボリック・シンドロームと診断されます。
ウェスト値は、男性なら85cm以上、女性なら90cm以上だと該当します。血液はトリグリセド値、つまり中性脂肪が150mg/dL以上、かつまたは(アンド・オア)善玉コレストロールと言われるHDLコレステロール値が40mg/dL未満。血圧もアンド・オアですが、上は130mmHg、下が85mmHg以上の場合です。もうひとつは血糖値が110 mg/dL以上である場合ということになります。
廣田彰男先生
例えばAさんは毎日仕事で忙しくて運動不足。1週間に4日は外で酒を飲む。身長が169cmで体重72kg。健康診断で高脂血症と言われたが、そう問題がないので普通通り生活してもらっていい、ということになった。しかし、2年後の健康診断では血糖値が高いと言われ、そうこうするうちに、今度は心臓の検査で狭心症と言われてしまった。こんなケースが象徴的です。
つまり、内臓に脂肪がたまるとアルコール性肝炎となり、アディポサイトカインの分泌に異常が生じて高脂血症、高血圧、高血糖となり、ひいては動脈硬化に行き着く。そして、血管の柔軟性を保つ善玉物質アディポネクチンに対し、血栓をつくりやすい悪玉物質「PAI-1」(パイワン)が分泌され、病気が起こる。
今回記入をお願いした皆様のデータを見ると、平均値はウェストが82.3cm、体重が68.7kgで、BMI値(体格指数)は24。ウェストは基準値の85cmを下回っていますが、女性も入っての数字なので、危険水域にある方も多いのではないでしょうか。
ウェストは、食事の影響を受けない空腹時に、へその高さで水平に測ります。BMIは体重kg÷(身長cm×身長cm)の数式で求めます。この数値が22のとき、最も病気にかかりにくいとされます。
内臓脂肪の面積が100平方cmを超えると、男女ともマルチリスク、つまり高血圧、高脂血症などの危険因子が高くなります。危険因子がない場合を1とすると、2になると5.1倍、3〜4になると36倍にもなる。このまま進むと、わが国のマルチリスクの平均異常値はどんどん増えていき、医療費が大きく増えてくる。このため、政府としてはメタボリック・シンドロームを今のうちにたたいて減らそうということになります。その方が、コスト的にも安上がりとなるわけです。
起点は食習慣と運動不足ストレス蓄積も誘引要素
メタボリック・シンドロームの発症の起点は、結局は食習慣と運動不足。あとは喫煙、飲酒、ストレス。そこに遺伝要因や外的要因が加わる。つまり、食事量は多いが運動量は少ない。そのためにエネルギーが過剰な状態になる。過食が高脂肪食になり、運動不足が影響して肥満細胞が増えてきます。今度は、脂肪細胞に中性脂肪が蓄積され、これによりインスリン抵抗性が出てきます。
内臓脂肪を増やす食生活とは何か。満腹になるまで食べる、緑黄色野菜を好まない、甘いものが好きである。また、夜食をとる。あと、身体的には仕事が多く、歩行は1時間以内である。こういう方々は内臓脂肪を溜めやすいと言えます。
減らすには、1日三食をきちんととりつつ、あと有酸素運動をする。体重を減らすと、血管を軟らかくするアディポネクチンが上昇し、血栓をつくりやすくするPAI-1が減る。食事は量とバランスの問題です。急にやせるのはいけない。食事は一口30回以上噛みたい。
1日に必要とされる適正なエネルギー量(kg)は、標準体重(kg)に25から30をかけたもの。大体1,600kcalぐらいが目安です。普通に食事をしていると2,500〜3,000kcalは軽くいっている。だから、必要量は普通の7分目ほどでよく、やせようと思うなら6分目にする必要があります。
運動は汗ばむ程度で20分以上脂肪落ちない絶食療法は要注意
運動療法は簡単に言うと軽く汗ばむ程度がいい。スピードにすると、1分間に80〜100c。歩数にすると100〜130歩。距離は1日あたり3km、1週間で20kmが目安です。初めは少しずつで、次第に増やしていくことがいい。心拍数は1分間に120回を超えない程度。心拍数は「130−(年齢/2)」で求めるが、おおむね110回ぐらいになります。
歩き始めの10分間は、筋肉にあるグルコーゲンを使う。その後、脂肪を使い始め、分解していく。だから、10分以内で終えると脂肪を分解できず、減量に役立たないので、運動は20分以上の単位で考えたい。1週間の距離数が20km以上になると、コレステロールの値が落ちます。
こうした運動と食事療法を組み合わせると、脂肪が落ちて体重は減り、しかし筋肉量は落ちないという効果がでる。また、インスリン感性も高まる。一方、絶食療法は体重は落ちるが、内臓脂肪は落ちない。筋肉量、骨量も落ちる。インスリン感性も上がらない。だから、運動療法と食事療法を同時に行うことが大切です。
詳細
インタビュー
谷内田先生が個展「三十三間堂への道」を開催
13年・4,765日の歳月かけ 全1, 031体を描き込む

会社マークやマスコット「チアーズベア」、本社社屋壁面のパネル展示(郷土史紹介)を手がけていただくなど、冨士鉱油と長いお付き合いが続いているグラフィックデザイナー、谷内田孝先生は4月下旬、東京・六本木で個展「三十三間堂への道」を開かれました。平成13年に続く2回目の今回は、言わば“墨彩仏画の成就展”。一般のお客様を含めた多くの方々の来場があり、高い評価を博しました。十一面千手千眼観音菩薩は諸人にあまねく救いの手を差し延べるために、多くの面・手・眼を持ち、しかも居並ぶ1,001体の中には会いたいと願う人の顔が必ずあると言われます。会場で谷内田先生に、個展にかけた想いや、今後の抱負などについてうかがいました。

作品展
記 者 グラフィックデザイナーである谷内田先生が、墨彩仏画に取り組むことにしたきっかけからお聞かせください。

谷内田

個展の案内状でも触れましたが、13年前の平成5年に遡ります。桜の花がまだつぼみの頃、京都古寺散策で訪れていた蓮華王院三十三間堂の仏たちが、その日はとても穏やかで、浄土のように輝いて見えました。
 実はその日、師事していた染色家、北島女史が享年89歳で逝去されました。ふと振り返ると、東山の峰々が浄土のある西方の陽に赤く染まっていました。その年から三十三間堂の全1,031体を墨彩で描こうと思い立ったのです。
 墨で描き彩色する墨彩はむろん初めて。仕事の合間をみて、我流で趣味として描き続け、結果として13年・4,765日の歳月を経てようやく成就しました。

記 者 まずもって、その粘り強さ、根気に敬服させられます。

谷内田

仕事の空いた時間や休日をフルにあてて取り組みました。仏像はすべてが国宝か重要文化財なので、写真などの撮影は一切駄目。だから、1時間ほどかけて10枚ほどのスケッチを重ね、それを1日4回ほど繰り返し、4枚分の準備を終える。同時に、仏たちに関する関係書籍も精読のうえ、満身の想いを込め1枚を30分ほどで一気に仕上げます。
 私は左手が不自由なので、しっかり押さえることができない。身丈以上の絵を描くときなどは特に大変でした。
 蓮華王院三十三間堂の全1,031体、つまり十一面千手千眼観音菩薩坐像と左右の千手観音立像の各500体、それに観音二十八部衆、風神・雷神はそうした苦労の中で描き上げました。また、今回はそれらとは別に、浄土への想いを蓮華に込めた淡い色調の数点も展示しました。
 特に大変だったのは、1,001体を描き込んだ「十一面千手千眼観音菩薩 一千一体応現図」です。その横への広がりもさることながら、墨画ゆえ修正がきかない。気力を振り絞って描き進めるのですが、数回の挑戦を経てようやく完成させました。

記 者 谷内田先生のお仕事は実に幅広いですね。

谷内田

三十三間堂への道 私は昭和19年1月、函館市で生まれました。ですから、62歳になります。映画監督を夢見て上京し、16歳(昭和35年)のとき東映動画スタジオ、東宝映画円谷プロダクションで動画づくりに携わり、19歳(38年)で伝統工芸(染色)を学びました。黒澤映画にあこがれていたのですが、なかなか近づけない。40年には印刷会社で営業のかたわらグラフィックデザインを担当し、こうした経験と実績を生かすべく、45年にグラフィックデザイナーとして独立したわけです。
 今は、東京湾ウォーターフロントの勝どき橋に建つ、話題のツイン高層マンションに続き、日本橋、銀座で大型建築の景観プロデュースを手がけています。その一方で、日本オフィス家具協会の出版物編集、また食品物流システムの開発、企業コンサルタント、講演にと飛び回っています。

記 者 冨士鉱油とのきっかけは。

谷内田

知人から先代の園木謙彦社長を紹介され、その縁で会社マークやチアーズベアなどのデザインをやらせていただきました。その後も賀詞交歓会に招かれるなどお付き合いが続き、昨年(05年)には、冨士鉱油さんの本社ビル「冨士ビル」のリニューアルに合わせ、1階壁面に郷土史を紹介する展示パネルの企画・デザインを担当させていただきました。
 古地図や紹介文を執筆された郷土史家の有田芳男氏によれば、冨士ビルの所在地は、江戸時代が始まった慶長年間には銀座がおかれ、明治時代には西郷隆盛の“東京屋敷”もあったようです。今後も冨士鉱油さんとのご縁が続き深まるよう願っています。

記 者 「三十三間堂」に続く、新たなライフワークをお考えでしょうか。

谷内田

年齢と体力を見極めつつ、そろそろ家内への恩返しをしなければいけないなと思っています。と同時に今考えているのは、吉田兼好法師の世界を描いてみたいということ。風景にするのか、生き物たちを登場させるのか、数冊の「徒然草」を読み比べながら、いま構想をふくらませているところです。

谷内田孝先生谷内田 孝 氏 / Takashi Yachida

昭和19年函館市生まれ。35年東映動画スタジオ、東宝映画円谷プロダクションで動画に携わり、38年伝統工芸(染色)を学ぶ。40年印刷会社で営業・グラフィックデザインを担当、45年にグラフィックデザイナーとして独立。56年(株)谷内田デザインスタジオ(YDS)を設立、平成5年ライフワークとして墨彩仏画を始め、13年第1回「三十三間堂墨彩仏画展」を開催、18年YDS設立25周年。


谷内田孝先生の個展「三十三間堂への道」は4月21〜26日、東京・六本木のアクシスギャラリーで開かれました。描かれた仏像は、十一面千手千眼観音菩薩坐像をはじめとした京都・蓮華王院三十三間堂の全1,031体。なかでも圧巻は、数回の挑戦を経て完成させた「十一面千手千眼観音菩薩 一千一体応現図」(左ページ右下)。仏像一人ひとりの表情に見入る来場者の姿が目立ちました。また、金、赤、黒を基調にきりりとした仏画が多く並ぶ中、浄土への想いを蓮華に込めた淡い色調の数点も関心を集めました。


TOPICS


 液協総会
大野社員(千葉)が「優良従業員」表彰を受ける  「創立20周年記念祝賀会」では小山顧問に感謝状
関液協総会
私たちガス事業者と関連事業者の団体である「関東液化石油ガス協議会」(関液協)は6月14日、東京都千代田区の九段会館で「第20回定時総会」を開催しました。監督官庁である関東東北産業保安監督部、関東経済産業局を来賓に迎えて行われ、「優良販売事業者」をはじめとした表彰式では、冨士鉱油千葉支店流通グループ所属の大野芳康社員が「優良従業員」として表彰されました。
 また、今回の総会は20回目の節目にあたることから、総会・表彰式に続いて関液協創立20周年の「記念祝賀会」も催され、この席において冨士鉱油顧問の小山泰氏に、長年にわたり関液協の発展に尽くした功績が顕彰され、「感謝状」が授与されました。

「安全・保安はグループの行動規範」
 部安全衛生委員会で園木社長が強調
冨士鉱油グループは各社合同による「本部安全衛生委員会」を、5月25日に東京・日本橋公会堂で開きました。委員長を務める園木社長は、「行政は事前指導型から事後チェック型に大きく移行している。自己責任がより重くなったことを肝に銘じてほしい」と訓示。「安全・保安の確保は我々グループの重要な行動規範であり、今後も緊張感をもって取り組んで欲しい」と要請しました。また、副委員長の草地好和専務は「各職場委員会は活性化してきており、大変頼もしい。改善は進められているが、もっとスピードを上げる必要がある。全部門を通じて、安全の確保と作業事故・車両事故ゼロを継続してほしい」と呼びかけました。このあと、廣田彰男氏(広田内科クリニック院長)が、事前に行った社員アンケートの結果も紹介しつつ、「メタボリック・シンドローム」をテーマに講演しました(講演概要は4〜5ページに掲載)。

パロマ、屋内設置型給湯器7機種を点検・交換へ
 O中毒死亡事故など発生で
(株)パロマは7月18日、パロマ工業(株)が昭和55年から平成元年にかけて製造した屋内設置型湯沸器7機種について、事故再発を防止するため、無償で点検・交換すると明らかにしました。
これを受け、冨士鉱油グループで自社取り扱い分の社内調査を実施したところ、18日現在、該当機種が6台、その他パロマ製の屋内設置型湯沸器(小型を除く)が49台あることが分かり、早速お客様へ連絡を取るなどして確認のための調査を開始いたしました。
経済産業省は14日、これらの該当機種については、安全装置(排気ファンが停止した場合に燃焼器へのガス供給を自動的に遮断する)が本体設置後に一部不正改造されたりしたため、不完全燃焼による死亡事故など16件が発生し、14人が死亡していると公表しました。同省はこのため、パロマに自主的な総点検を行って不具合を改善するとともに、使用者・販売事業者などに注意喚起を行うように要請しています。
(株)パロマによると、対象機種は合わせて26万台あり、その後の社内調査の結果、事故は安全装置の経年劣化によるものも含めて27件発生し、死者は20人に上っているということです。
なお、該当機種の型式とパロマお客様専用窓口などは次の通りです。
【該当機種】PH−81F、PH−82F、PH−101F、PH−102F、PH−131F、PH−132F、PH−161F
【専用窓口】0120−314−552(24時間受付、土日・祝日も対応)
TOPICS

本号をお届けする頃には梅雨も明け「夏真っ盛り」を迎えていることと思います。
北朝鮮のミサイル発射に触発されたわけではないと思いますが、7月CPが予想より上昇するなど、エネルギー関連業者にとっては、今後のエネルギー指数や為替相場等の動向に注意が必要となりそうです。
さて、お盆の季節も含め、「夏休み」の旅行などをご計画の方も多いことと思いますが、くれぐれも体調管理にお気遭いいただき、楽しい夏休みとなりますようお祈りいたします。
Y.H

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冨士鉱油Cheers