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■CRMからナレッジ・マネジメントへ
顧客が望むものを、望む形で提供し続けるためには、どんな取り組みが必要か……その答えとして「顧客が望むことは、顧客自身に聞く《顧客から学ぶ》」という考え方があります。顧客の声を収集し、あるいは顧客の声にならない要望を拾い上げ、それに応える活動を組織として行っていく管理手法=Customer Relationship Management(CRM)=が、サービス業を中心に広がっています。
《顧客から学ぶ》
活動をより効率化、効果的なものとするために、CRMには情報システムの活用が不可欠です。それにより、顧客満足向上活動(CS活動)は単なる心構えから、企業の競争力をアップさせ収益を向上させる取り組みへと進化します。
CRMのより上位の概念が、ナレッジ・マネジメント。顧客から学び、実践していく上でのさまざまな「知識」を組織として蓄積し、組織で共有化し、さらに新しい「知識」を創造していく流れが完成したとき、企業は圧倒的な競争力を獲得することができるのです。 |
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■冨士鉱油のナレッジマネジメント (販売方針発表会でのスピーチから)
冨士鉱油株式会社 代表取締役社長 園木 章夫 |
【組織の知識】を拡張し企業全体のパワー・ 組織力の強化を図る
図グラフをご覧下さい。「企業のパワー」と「組織力の構成」を表してみました。【個人の知識】は、経験、学習、創造を繰り返すことにより蓄積されます。【組織の知識】は、情報やノウハウを分析、共 有し、価値を与えることにより蓄積されていきます。一般に、今までの【組織の知識】は、【個人の知識】に比べ、組織内では非常に乏しいものでありました。
これからは、知識を共有しながら 【組織の知識】を拡張することによって企業全体のパワーや 組織力の強化を図っていく必要があります。この「組織内で知識を共有する」には、それを可能にする【仕組み作り】と、それを実践し、【習慣化】していくことが、ナレッジ・マネジメントとして非常に重要なポイントとなります。 |
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付加価値創出の必要性
いま、社会・経済環境は、「売る」時代から「買ってもらう」時代へ変化しました。あらゆる産業、あらゆる企業は、その環境に対応するしくみづくりに追われています。商品やサービスが、「企業の論理」から「消費者の論理」で売り買いされる時代となったことに、敏感に対応した企業だけが、厳しい競争に勝ち残ることができるのです。ヒト、モノ、カネという経営資源があっても、顧客というものが存在しなければ、ビジネスは勝ち残れなくなっています。
さらにIT、情報技術の進展は、消費者のサービスの利用形態を一層多様なものとするとともに、企業にとっても多様な商品・サービス販売形態を生み出すものとなっています。多様なニーズに応える多様な手段を持った企業が、競争で優位なポジションを占めることが、明らかとなってきています。LPガスを含むエネルギー産業も、例外ではありません。規制緩和と利用技術の進歩により、エネルギー間の垣根が取り払われました。利用者は安全性や経済性、そして使い勝手を自ら判断し、エネルギーを選択できる時代となりました。暖房や厨房分野への電力の積極的な侵攻はその大きな現れです。
また、安値によるLPガスの顧客切替え合戦も、「消費者によるエネルギー供給業者の選択」を大義名分として行われています。「消費者が選ぶ商品・サービス」の中に、私たちが取り扱うLPガスも含まれるようになりました。業界環境、時代環境は大きく変化しているそのことを知り、さらに「変化」を自らのものとして経営に取り込んだ企業こそが、21世紀の繁栄をつかむのです。
LPガスも消費者が選ぶ商品・サービスであるならば、私たちは《LPガスの商品の「差」とは、どこにあるのか》を知っておかなければなりません。そして「価格」の高低は、買う側の価値判断によって、《高い/安い》が判定されます。価格に見合う価値であるか否かが、価格の判断となるのです。製品としてのLPガスは、成分その他にばらつきがあるわけではありません。だとすると、LPガス販売事業者が競い合う商品の価値の「差」は、供給サービスのあり方ということになります。保安確保、安定供給という、いわば当たり前のことが、どれだけ他に比べて優れてるか、さらにどのようなサービスが付加されているのか、それを利用者に理解されやすい表現で知らしめていくことで、自社のLPガス供給サービス、つまり商品・サービスの価値を高めていくことが必要です。
今後ますます激しくなる業界内の価格競争、エネルギー間の競合に勝ち抜くためには、単なる値段の高低ではない戦い、価値競争をリードする《価値創出》が必要となっています。「暮らしの問題解決」や「エネルギーのアドバイザ」といった存在としてお客様から認知を受けることも、価値創出の取り組みと言えるでしょう。
環境変化の中で、LPガス販売事業者は今後ますます厳しい競争にさらされることとなります。競争は、競合エネルギーや同業他社との比較の中で、エネルギーとしてのLPガスは、絶対的な地位が保証されることはなくなります。また、顧客争奪戦の広がりの中で、LPガス販売事業者は、常に顧客から比較される存在となります。こうした中で、事業を維持し、顧客をつなぎとめていくかの鍵は、いかに顧客の支持・選択を得られ続けるかにあります。顧客満足獲得の絶え間ない取り組みこそが、今後のLPガス販売事業者に、いえ、すべてのサービス業者に求められるのです。顧客維持のためには、顧客満足の実現が必要です。
顧客満足の実践活動
では、顧客満足とはどのようなときに実現するのでしょうか。それは顧客が真に求めること、困っていることが解決されたときに、達成されると考えることができます。たとえば、風呂釜が故障したというお客様が困っていることは、「お風呂に入れない」ということです。この場合「修理に2、3日かかります」とだけ伝える対応は、顧客を逃がしてしまう対応といえます。「どうすれば早くお風呂が使えるようになるか」と考えることが、顧客視点の行動。修理中の、給湯器のレンタルサービスなどは、顧客満足につながるサービスと言えるでしょう。
さらに視点を拡げて考えてみましょう。LPガス販売事業者はこれまで、LPガスという素材により、暖房や給湯などの利便性を顧客に提供してまいりました。しかし今後の顧客満足獲得を考える上で大切な視点は、顧客が求めているのは利便性であって、LPガスそのものではないということです。
今後のLPガス販売事業者は、エネルギーの利用技術の進展や、顧客ニーズの多様化に対応し、LPガス単体販売から脱却し、生活総合サービス業への転換も視野に入れる必要があります。地域生活者のエネルギーと暮らしのパートナーとしての転嫁を考える場合、新サービスや新商材への取り組みも必要となります。新サービスや新商材への取り組みを成功に導くカギは、現在の顧客とのきづなが強いか否かにかかっていることは、言うまでもありません。
顧客から学ぶ=CRM
それではここで、ナレッジマネジメントについて、皆様と共通の理解を得ておきたいと思います。顧客満足をどのように実現していくべきか、顧客が望むものを、望む形で提供し続けるためには、どんな取り組みが必要か。その答えとして「顧客が望むことは、顧客自身に聞く《顧客から学ぶ》」という考え方があります。顧客の声を収集し、あるいは顧客の声にならない要望を拾い上げ、それに応える活動を、組織として行っていく管理手法=Customer Relationship Management、CRM、が、サービス業を中心に広がっています。《顧客から学ぶ》活動をより効率化、効果的なものとするために、CRMには情報システムの活用が不可欠です。たとえば、お客様の情報を集め、整理・分類する道具として、パソコンを活用します。さらに、そのお客様と会社とは過去にどのような取引の実績があったのかを、会社の誰もが素早く知るためには、パソコンをはじめとした情報システムの利用が必要不可欠となります。加えて、そのお客様と担当者とはどのようなやりとりがあったかといったコミュニケーションの履歴、関係性までをも管理していれば、他の担当者が応対しても、顧客満足の高い対応をとることができるはずです。
ナレジッマネジメントとは(冨士鉱油のナレジッマネジメント6)
このようにCRMの考え方での情報システムの活用により、顧客満足向上のための活動は単なる心構えから、企業の競争力をアップさせ収益を向上させる取り組みへと進化します。CRMの、より上位の概念が、ナレッジ・マネジメントと呼ばれるものです。ナレッジとは、知識のことです。知識を共有化することで、成果が上がりやすい仕事を、効率よく処理をする。その流れを、常に生み出す組織をつくろうという考えがナレッジ・マネジメントであるとご理解ください。顧客から学び、実践していく上でのさまざまな「知識」を組織として蓄積し、組織で共有化し、さらに新しい「知識」を創造していく流れが完成したとき、企業は圧倒的な競争力を獲得することができるのです。
知識を共有化することで、成果が上がりやすい仕事を、効率よく処理をする。その流れを、常に生み出す組織をつくろうという考え、ナレッジ・マネジメントを、ごく簡単な例で申し上げましょう。具のたくさん入ったラーメンを作るとき、Aさんは具を刻んでからお鍋を火にかけます。Bさんは、お鍋を火にかけてから、具を切り始めます。途中、麺を茹で、具が刻み終わった頃に麺は出来上がります。Bさんの方が、5分早くラーメンができます。一日20食作れば、100分の時間節約です。食べる人も、待ち時間が短くなります。Bさんの要領を、Aさんも真似できるようにすれば、全体の仕事はもっと速くなります。さらにその様子を見ていたCさんが「具はあらかじめいっぺんに刻んでおいたらどうだ」と提案します。そうすれば、もっと早くラーメンはできあがります。私たちの周囲では、これと同じようなことがよくみられます。私たちが、ナレッジ・マネジメントという言葉をあえて用いるのは、こういう知識の共有と、新しい知識の創出を、組織として身につけ、定着させたいと考えているからです。 |
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ナレッジをコラボレーションにより蓄積
「顧客」という資産を、どう維持・拡大していけばいいのか……今年度はまず、「顧客維持」を重点化し、顧客争奪戦の中での顧客維持の成功事例の共有と、新しい顧客維持の知識、ナレッジの創造に着手していきます。その取り組みは、冨士鉱油と販売店様の役割分担と協調・共同作業、《collaboration》で展開していきます。複数の者が、それぞれの役割を分担して問題解決をはかっていく、コラボレーションを、私たちはこれからの仕事の取り組みの中でどんどん取り入れてまいります。顧客維持のための販売店様の活動を、冨士鉱油が道具類、ツールを提供し、情報の分析等でサポートします。そのことで販売店様の経営資源である「ヒト」「モノ」「金」そして「情報」のパワーアップを支援し、第5の経営資源である「ナレッジ」の蓄積をバックアップします。そして、ヒト、モノ、カネ、情報、ナレッジを蓄え、顧客の維持・獲得につなげ、販売店様の経営基盤の、一層の強化へとつなげていきます。 |
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