パロマ製湯沸し器トラブルで、昨年夏は連日連夜マスコミの取材を受けた(社)北海道エルピーガス協会の桐原一之専務理事は「新聞記者さんたちは最初から仮説と結論があって、それにそった情報を集めているような感じを受けました」と語っています。パロマのマスコミ対応のまずさが各方面から指摘されましたが、悪者=パロマの過失があって事故は生じたというストーリーの中で、多くの取材がなされ、記事が書かれた感がありました。
マスコミの取材者を含め、一般の人々はガスのことを知りません。LPガスと都市ガスは供給形態以外にはどう違うのか、都市ガスといっても全国すべて同じ成分ではない……といったことや、法定点検等により石油機器に比べ設置先の把握がしやすいといったことも、あまり知られていません。「原因究明」「真相解明」を叫びながら、それよりもまず、当事者企業に「謝罪させる」ことを第一目的にしているのではないかと思われる記者も見受けられます。
北海道協会では、パロマ問題の際を教訓に、北見ガス事故に際しては「家庭用LPガスには、一酸化炭素(CO)は含まれていません」を、そしてリンナイ製湯沸し器事故の公表後は「リンナイ開放式小型湯沸器の点検について」を、それぞれ直ちにホームページ上に掲載し、一般への周知活動を行っています。「北海道内に出荷された該当機種は26,544台(2月14日時点でのメーカーからの報告)であり、当協会では会員に対してメーカーの点検・調査への協力を要請しています。とにかくお客様に安心していただくことが先決ですから」(桐原専務)と昨年のパロマの時と同様に迅速な対応に努めています。
北海道業界では、パロマ問題でも全国に先駆けて無償交換に踏み切った経緯があります。その時の判断について、全国エルピーガス卸売協会北海道地方本部の赤津敏彦氏(エア・ウォーター(株)専務)は次のように語っています。
「今回のトラブルでは、当初の発表時点で死亡事故の半数以上が北海道内で発生しており、その後も道内での事故が報告されています。確かにパロマは過去も(道協など北海道業界では、一酸化炭素中毒事故の危険のあるパロマ製機器を指摘し、01年5月、全国に流通している約4万台の回収を文書で要請したが、パロマ側はこの要請を受け入れなかったという)、今回の対応も問題が多い。しかしそれをパロマという一企業の責任だとして眺めていては、ガス業界にとって致命的な問題となりかねない。要は、お客様の不安を取り除くためにすぐに行動することが大切で、それは心配な機器はすぐ取り替えるということ。」(「月刊BOSS」2006年10月号の取材から)
そうやって対処し、ガスへの不信を取り除こうとしてきましたが、年明けの北見ガス、そしてリンナイほか他メーカーの事故公表となり、いままさに「致命的な問題」とならぬための必死の対応が行われています。 |