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アパート・マンションの防犯対策
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鍵が防犯のカギ!
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 事故や事件が発生すれば、賃貸住宅の価値は一挙に下がり、入居者獲得に支障をきたします。その意味でも、アパート・マンションの防犯対策は、賃貸住宅経営にとっての大切なポイントのひとつ。しかし、集合住宅に限らず、防犯対策には「完璧なもの」はなかなかありません。
 今回は、集合住宅での犯罪で多い侵入犯対策のひとつとして、鍵について考えてみましょう。
 
侵入犯を防ぐための「補助錠」の設置

 侵入犯の手口としていまや広く知られるようになった「ピッキング」。ピックと呼ばれる金属製の特殊工具を鍵穴に入れ、ドアの錠を短時間で開けるもので、数年前に横行しました。その後、耐ピッキング性能を備えた鍵への交換が進み、一時、年間で3万件弱も確認されたこの手口も、最盛期の10数パーセントまで減少しています。
 しかしながら、侵入犯自体の件数が減っているわけではなく、むしろ増加傾向にあります。
 最近は、ドアの外側からドリル等で穴を開けて内側のドアロック用つまみ(サムターン)を強引に回して侵入する「サムターン回し」といった手口が増えています。サムターン対策は、室内のサムターン(つまみ)周辺に、簡単に取付け可能なカバー(障害物)を付けるのが効果的です。
 さらに最近、「カム送り解錠」という手口も報告されています。この手口は特殊な工具で、錠内部のカムと呼ばれる部品を直接動かして開けるもので、鍵穴に工具を突っ込まないため、ピッキング対策で交換した鍵でも開けられてしまう恐れがあります。
 解錠の手口は日々「進化」し、完璧な対処法は不可能というのが現状ですが、いずれの手口であっても有効なのは、補助錠を設置すること。補助錠はバールなどの破壊解錠にも有効で、何よりも解錠する鍵が多い分、時間をとられるため、侵入犯が敬遠するわけです。

鍵の交換は家主・入居者どちらの責任か

 防犯に対する意識が高くなかった昔は、入居者が変わっても鍵を引き継ぐことが当然のように行われていました。しかし今日では、鍵交換は当然とされ、以前の入居者の鍵をそのまま引き継ぐことに抵抗感を覚える入居者がほとんどです。前入居者が合鍵を持ったまま転出し、その後、元の部屋の鍵を開けて侵入したという犯罪も報道されています。
 鍵の交換を入居者の負担で行っているアパート・マンションも多いようですが、負担を厭う入居者が鍵を交換せず、そのことでトラブルが生じた場合、その責を入居者にだけに追わせられるのか、という問題もあります。法的な責任論とは別に、現代の賃貸住宅の管理の感覚からは、防犯に対して鈍感な賃貸住宅経営者は、それだけで非難を浴びかねません。また、家主から入退去に際し鍵の交換代金を受け取りながら、鍵交換を行わなかったり、空き室同士の鍵を交換して済ませるなどの悪質な管理会社の例も報告されています。
 いま、住まい選び、入居条件のポイントとして「防犯」を挙げる人が増加しています。その意味でも、入居者が不安を感じない鍵の管理が大切です。入居者に防犯対策に配慮していることをわかりやすく伝えるには、「鍵の交換は家主・入居者どちらの責任か」という議論よりも、家主の責任できちんと鍵交換を行っていることを伝えることの方が効果的だと言えるでしょう。

防犯がアパート・マンションの価値を演出する

 最近ではカード式や指紋照合式など、複製しにくい鍵も登場しています。また、暗証番号式ボタン錠は、鍵の紛失や複製トラブルもなく、また、入退去ごとの交換も不要です。これらは従来型の鍵に較べれば当然コストがかかりますが、それが物件の価値を高めるのも事実。前述の補助錠の設置は、比較的低コストで安心を演出できます。
 また、最近の入居者の多くは、多少家賃が高くてもオートロックの建物を好みます。もちろん、オートロックであればすべての侵入犯が防げるわけではなく、オートロックであるがゆえの油断が招く事故や事件も報告されています。けれども、オートロックや防犯カメラは、「目に見える防犯対策」であり、それは侵入犯罪を抑止し、入居者の安心を演出するのだということは知っておきましょう。
 「空室が目立つ1階の住戸にモニター付インターフォンを取り付けたら、たちまち満室になった」という事例もあります。「目に見える防犯対策」は空室対策のポイントのひとつなのです。もっとも手軽な鍵の交換も含めて、防犯のコストを惜しまず、防犯対策を入居者や入居希望者にアピールすることで物件の価値をアップさせましょう。