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――既築物件の耐震診断や補強は簡単ですか?
宮崎 建物が建った後でも耐震診断はできます。しかしコストがかかります。また、耐震のみの補強工事も、工事の費用のほかに入居者に退去を求めなければならないなど、大きなコストになります。
長谷 自治体によっては耐震診断や補強工事に補助をするところもありますから、相談してみると良いと思います。ただ、賃貸用の物件の場合、予算をギリギリに切り詰めて建てるということも多いようですから、後から中途半端な耐震補強をするのは、かえって建物を弱くしますから注意が必要です。これは、遮音や消音工事でも同じです。
宮崎 そうですね。耐震性の計算は建物の重さに対して行いますから、耐震補強で建物が重くなれば、その分強い耐震性の計算数値が求められることになります。
長谷 それに、耐震性を高めたいからと窓の真ん中に柱を一本入れる、などという工事では入居者の理解は得られません。補強の設計も工夫が必要です。
宮崎 耐震性を確保すると同時に、用途に応じた設計が必要ですね。事業所用の古いビルの場合では、見栄えはちょっと悪いけれど、しっかりした耐震補強をしたら満室になったという例もありました。そのへんをしっかり設計士と相談すべきです。
長谷 新築でもリフォームの場合でも、信頼できる業者の選択が大事です。信頼できるというのは、実績ももちろんですが、例えばお金のこと、予算のことも駆け引きなしに話せて、任せられる設計士や業者ということですね。
宮崎 既築の集合住宅の場合は、コストを考えるならば全面的なリフォーム、リニューアルのときに、同時に耐震を見直すという判断が良いでしょう。リフォームについてひとことだけ付け加えれば、リフォーム業者の選定には十分配慮していただきたい。いい加減な業者に依頼して大変なことになったという例が、数多く報告されていますので。
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